読書

妻子ある身でありながら

私には妻も子供もいますが、角田光代さんを好きになってしまいました。昨日、40日以上、毎日続けていたブログ更新を忘れそうになったのは、『ツリーハウス』に夢中になっていたからです。 角田光代さんの代表作は『八日目の蝉』でしょうか。映像にもなってい…

復活の日

小松左京さんの『復活の日』みたいになってきましたね。 50歳以上の方は、私が何を言っているのか、分かると思います。 分からない方、まだ読んでいない方、ぜひとも読んでみてください。836円から出ています。 https://www.amazon.co.jp/%E5%BE%A9%E6%B4%BB…

恋愛小説に対する免疫力

久しぶりに本の話題です。なぜなら、すごく感動したから。 その本は、又吉直樹の『劇場』です。 私は夜、寝付けなくなるほど感動しましたが、酷評する人もいるようですね。私は恋愛小説をあまり読まないから、恋愛小説に対する免疫力が弱くて、恋愛小説であ…

『上機嫌の本』佐藤愛子

波乱万丈で豪快な人生を送ってきたんだろうな、と思わせる内容のエッセイです。 興味を持って調べてみたら、驚きましたよ。1923年(大正12年)生まれで2回も離婚しているんです。 女は結婚したら、どんなことがあっても耐えなくてはならないなんて言われてい…

『最後の花時計』遠藤周作

以前、遠藤周作さんのエッセイを読んで感心したので、図書館で借りてきました。 この世のさまざまなことについて、不平、不満をぶちまけています。老人が愚痴をこぼしているっていう感じです。 年を取ると、とやかく言いたくなるのかもしれないけど、僕はそ…

『ありがとうのかんづめ』俵万智

育児書のようなエッセイです。俵さんが息子さんをどのように教育してきたかが綴られています。 僕なんかは教育について何も知らないけど、俵さんの子育ては正解なんだろうな、さすがは元教師だなって感じです。息子さんがうらやましくなります。こういう育て…

『英文読書術』行方昭夫

私が自分の父親よりも尊敬する王貞治さんは、テレビのインタビューに答えて次のように言っています。 人間だからミスして当たり前って言うでしょ? そういう意味で、プロは人間ではない。 これだけ自分に厳しかったから、868本もホームランを打てたんですよね…

『百人一酒』俵万智

お酒を話題にしたエッセイです。よくまあ、お酒の話をここまで続けられるよな、と感心してしまいます。本当にお酒の話だけなんですよ。たまにはお酒以外の話も混じるだろうと思っていたら、108話すべて、最初から最後まで徹頭徹尾、正真正銘、お酒の話だけ。…

『やっぱり、ひとりが楽でいい』岸本葉子

岸本葉子さんのエッセイからは、何となく淋しさを感じてしまいます。これまでに読んだ岸本葉子さんの本が、癌を患った後のものばかりだったからでしょうか。癌になる前の作品は面白おかしいかもしれないと思って、この本を選んでみました。 なぜ淋しさを感じ…

『すらすら読める土佐日記』林望

古典はおもしろい、と林望先生はおっしゃいます。たしかに、数百年も読み継がれてきたのですから、古典には何かが含まれているのでしょう。でも、特に土佐日記は、和歌の素養がないと楽しめないかも。その古典が書かれた時代背景を知っているかどうかよって…

『捨てきらなくてもいいじゃない』岸本葉子

新聞や雑誌に掲載されたエッセイをまとめた一冊です。 前にも、この人が書いたエッセイを読みましたが、この人の書くエッセイには、モノについて書かれたものが多くて、人が出てくることは稀です。女性ですから、ファッション関係の服とか化粧品とか装飾品と…

『バブルノタシナミ』阿川佐和子

2017年7月に発行された本だから、今まで読んできた阿川佐和子さんのエッセイのなかでは最も新しいものかな。 ちょっと調べてみたら、これまで僕が読んできた阿川佐和子さんのエッセイは、すべて10年ほど前に出版されたものばかりでした。 その10年ほど前のエ…

『ひとりを愛し続ける本』遠藤周作

さすがは遠藤周作さんです。最初から引き込まれました。 人を見る目が鋭すぎます。しかも、遠藤周作さんのおっしゃることは、どれもこれもごもっとも。思わず頷いてしまいます。 初版が1986年ですから、30年以上も前の本です。こんなに古い本なのに、遠藤周…

『まだふみもみず』檀ふみ

檀ふみさんの親友である阿川佐和子さんによると、檀ふみさんは何でも学術的に追及する人なのだそうです。檀ふみさんご自身は、学生の頃はそんなに勉強しなかったけど、社会に出てから勉強するようになった、と自分のことを言っています。 いつ勉強したかに関…

『オドオドの頃を過ぎても』阿川佐和子

阿川佐和子さんは、子供の頃あまり読書をしなかったと言っていますが、なかなかどうして、ご自身では気付かぬうちに、良書をけっこう読んでいたことをこの本で白状しているではないですか。優秀なお兄様に比べたら、読んだ本が少なかったということに過ぎな…

『太ったんでないのッ!?』阿川佐和子、檀ふみ

阿川佐和子さんは、恵まれた環境でお育ちになったように見受けられますが、庶民的な人なんですね。少し高い買い物をした後で必ず後悔して罪悪感に苛まれたり、モノを大切にしすぎるほど大切にしたり。 檀ふみさんは、筋金入りのお姫様なんですね。贅沢が大好…

『50代からしたくなるコト、なくていいモノ』岸本葉子

たしか、日曜日に早起きしてNHKをつけると、岸本葉子さんが俳句の番組の司会を務めていますよね。ゆっくり、のんびりとした語り口は、のろまな私には好印象です。早口でまくし立てる、私の妻のような人には、ややもするとモタモタした口調にイライラさせられ…

少し飽きてきたかな

僕には、ある著者が気に入ると、その著者の本を読み続けるという癖があります。最近は阿川佐和子さんと檀ふみさんにはまって、この二人の本を読み続けていますが、ちょっと飽きてきたかな。 若かった頃には飽きるということがなくて、気に入った著者の本はす…

『ああ言えばこう行く』は、ちょっと行きすぎではないか

『ああ言えばこう食う』に続く往復エッセイです。そこまで言って大丈夫なのか。辛辣すぎるのではないか。なんて、おせっかいな要らぬ心配をしてしまうというか、ちょっと行きすぎているのではないかと疑ってしまいます。読者を楽しませるために、わざと突拍…

檀ふみさんは奥が深い

檀ふみさんは、『父の縁側、私の書斎』というエッセイを『ああ言えばこう食う』とほぼ同じ時期に書いていますが、この2冊、趣がまるで違います。しっとりとしたと言うか、落ち着いた雰囲気の文章です。読んでいて心が洗われる気がします。教会で十字架にはり…

腰痛にお悩みの方に朗報です。

アンドルー・ワイル博士が健康について書き連ねている本の中で、アメリカの整形外科医John E. Sarno氏の『Healing Back Pain』という本を紹介していました。読むだけで腰痛に効くという触れ込みでした。 そんな馬鹿な、と疑っていましたが、本なんてたかが数…

娘よ、ごめん。

ジャパネットたかたの創業者である高田明氏がテレビで奨めていたので、世阿弥を読んでみました。もちろん、現代語訳、林望先生の『すらすら読める風姿花伝』です。 最初のページを読んで猛省しました。 娘よ、ごめん。キミが凡人なのは、お父さんの教育が間…

檀ふみさんは、書く文章まで美しいという事実

檀ふみさんの若い頃のエッセイ『ほろよいかげん』を読みました。 父親が作家という血筋のためか、慶応義塾大学卒業という頭の良さのためか、きれいな文章で、高校の教科書に採用されたというのも納得です。育ちの良さもにじみ出る、気品あふれる文章でもあり…