2019-01-01から1年間の記事一覧

恋愛小説に対する免疫力

久しぶりに本の話題です。なぜなら、すごく感動したから。 その本は、又吉直樹の『劇場』です。 私は夜、寝付けなくなるほど感動しましたが、酷評する人もいるようですね。私は恋愛小説をあまり読まないから、恋愛小説に対する免疫力が弱くて、恋愛小説であ…

こんなものを集めています

空になったビール瓶なんて、ほとんどの人にとってはゴミなのだと思いますが、私には美術品に見えます。 このビール、アルコールが8パーセントも含まれています。それほど強くない私は、半分ほど捨ててしまいました。中味を捨てて空瓶を集めるなんて、むかし…

カルロ・フェリーチェ王

19世紀の銀貨を集めています。 1821年から1831年までイタリアのサルディニアを治めていたカルロ・フェリーチェ王です。 裏面には、王冠をかぶったかっこうの盾にリースがあしらわれています。 重さ25グラム、銀品位は0.9000です。500円硬貨と比較すると、そ…

井上尚弥の強さの秘密

井上尚弥の強さの秘密は何だろうか。ここ数日、そんなことばかりを考えていましたが、やっと答えがまとまりました。井上尚弥が強いのは、頭がいいからです。代数幾何や微分積分の難問が解けるというような頭のよさではなく、どのような状況でも冷静に状況を…

『上機嫌の本』佐藤愛子

波乱万丈で豪快な人生を送ってきたんだろうな、と思わせる内容のエッセイです。 興味を持って調べてみたら、驚きましたよ。1923年(大正12年)生まれで2回も離婚しているんです。 女は結婚したら、どんなことがあっても耐えなくてはならないなんて言われてい…

『最後の花時計』遠藤周作

以前、遠藤周作さんのエッセイを読んで感心したので、図書館で借りてきました。 この世のさまざまなことについて、不平、不満をぶちまけています。老人が愚痴をこぼしているっていう感じです。 年を取ると、とやかく言いたくなるのかもしれないけど、僕はそ…

『ありがとうのかんづめ』俵万智

育児書のようなエッセイです。俵さんが息子さんをどのように教育してきたかが綴られています。 僕なんかは教育について何も知らないけど、俵さんの子育ては正解なんだろうな、さすがは元教師だなって感じです。息子さんがうらやましくなります。こういう育て…

『英文読書術』行方昭夫

私が自分の父親よりも尊敬する王貞治さんは、テレビのインタビューに答えて次のように言っています。 人間だからミスして当たり前って言うでしょ? そういう意味で、プロは人間ではない。 これだけ自分に厳しかったから、868本もホームランを打てたんですよね…

『百人一酒』俵万智

お酒を話題にしたエッセイです。よくまあ、お酒の話をここまで続けられるよな、と感心してしまいます。本当にお酒の話だけなんですよ。たまにはお酒以外の話も混じるだろうと思っていたら、108話すべて、最初から最後まで徹頭徹尾、正真正銘、お酒の話だけ。…

SICKってヤバイよね

私はこれでも翻訳家の端くれなので、たまには英語の話題を。 「sick」という英単語を小学館ランダムハウス英和辞典で調べると、次のように定義されています。 1. 病気の、かげん(ぐあい)が悪い2. むかついて、吐き気を催して3. すっかり不愉快になって、う…

『やっぱり、ひとりが楽でいい』岸本葉子

岸本葉子さんのエッセイからは、何となく淋しさを感じてしまいます。これまでに読んだ岸本葉子さんの本が、癌を患った後のものばかりだったからでしょうか。癌になる前の作品は面白おかしいかもしれないと思って、この本を選んでみました。 なぜ淋しさを感じ…

缶ビールの異物

昨日の晩、ギネスビールを飲んだら、缶の中に何か固形物が入っていました。冷蔵庫が冷たすぎてビールが少し凍ったのかな、そういえば味がおかしかった気がするな、と思っていました。 今朝、その缶を振ってみると、まだ固形物があります。昨晩は寒かったから…

『すらすら読める土佐日記』林望

古典はおもしろい、と林望先生はおっしゃいます。たしかに、数百年も読み継がれてきたのですから、古典には何かが含まれているのでしょう。でも、特に土佐日記は、和歌の素養がないと楽しめないかも。その古典が書かれた時代背景を知っているかどうかよって…

『捨てきらなくてもいいじゃない』岸本葉子

新聞や雑誌に掲載されたエッセイをまとめた一冊です。 前にも、この人が書いたエッセイを読みましたが、この人の書くエッセイには、モノについて書かれたものが多くて、人が出てくることは稀です。女性ですから、ファッション関係の服とか化粧品とか装飾品と…

『バブルノタシナミ』阿川佐和子

2017年7月に発行された本だから、今まで読んできた阿川佐和子さんのエッセイのなかでは最も新しいものかな。 ちょっと調べてみたら、これまで僕が読んできた阿川佐和子さんのエッセイは、すべて10年ほど前に出版されたものばかりでした。 その10年ほど前のエ…

『ひとりを愛し続ける本』遠藤周作

さすがは遠藤周作さんです。最初から引き込まれました。 人を見る目が鋭すぎます。しかも、遠藤周作さんのおっしゃることは、どれもこれもごもっとも。思わず頷いてしまいます。 初版が1986年ですから、30年以上も前の本です。こんなに古い本なのに、遠藤周…

『まだふみもみず』檀ふみ

檀ふみさんの親友である阿川佐和子さんによると、檀ふみさんは何でも学術的に追及する人なのだそうです。檀ふみさんご自身は、学生の頃はそんなに勉強しなかったけど、社会に出てから勉強するようになった、と自分のことを言っています。 いつ勉強したかに関…

『オドオドの頃を過ぎても』阿川佐和子

阿川佐和子さんは、子供の頃あまり読書をしなかったと言っていますが、なかなかどうして、ご自身では気付かぬうちに、良書をけっこう読んでいたことをこの本で白状しているではないですか。優秀なお兄様に比べたら、読んだ本が少なかったということに過ぎな…

これまでの人生でいちばん笑えたこと

犬の散歩をしているときのこと、ある家の庭で、上は小学校1年生くらい、下は幼稚園児と思われる姉妹が遊んでいました。 「ねえ、ねえ、お姉ちゃん、浣腸しよう!」 「いいよ」 妹は両手を組んで人差し指を伸ばし、姉の背後にしゃがみました。「カンチョー!…

『太ったんでないのッ!?』阿川佐和子、檀ふみ

阿川佐和子さんは、恵まれた環境でお育ちになったように見受けられますが、庶民的な人なんですね。少し高い買い物をした後で必ず後悔して罪悪感に苛まれたり、モノを大切にしすぎるほど大切にしたり。 檀ふみさんは、筋金入りのお姫様なんですね。贅沢が大好…

『50代からしたくなるコト、なくていいモノ』岸本葉子

たしか、日曜日に早起きしてNHKをつけると、岸本葉子さんが俳句の番組の司会を務めていますよね。ゆっくり、のんびりとした語り口は、のろまな私には好印象です。早口でまくし立てる、私の妻のような人には、ややもするとモタモタした口調にイライラさせられ…