『オドオドの頃を過ぎても』阿川佐和子

阿川佐和子さんは、子供の頃あまり読書をしなかったと言っていますが、なかなかどうして、ご自身では気付かぬうちに、良書をけっこう読んでいたことをこの本で白状しているではないですか。優秀なお兄様に比べたら、読んだ本が少なかったということに過ぎないですね。世間一般に比べたら、かなり読んでいますよ。

阿川佐和子さんは、横暴なお父様に虐げられていたと言っていますが、なかなかどうして、ご自身では気付かぬうちに、お父様から守っていただいていたことをこの本で白状しているではないですか。お父様を介して知り合った人たちは、そうそうたるメンバーですもんね。とても良い環境を提供してくれた、いいお父様ではないですか。

いい環境に生まれ育った阿川佐和子さんのことがうらやましいです。いえ、いい環境に生まれ育ったのだから、阿川佐和子さんが今日のように活躍しているのは当然だなんて言っているのではありません。同じ環境に生まれ育っても、僕のように怠け者では成功できなかったでしょうから。