娘よ、ごめん。

ジャパネットたかたの創業者である高田明氏がテレビで奨めていたので、世阿弥を読んでみました。もちろん、現代語訳、林望先生の『すらすら読める風姿花伝』です。

 

最初のページを読んで猛省しました。

 

娘よ、ごめん。キミが凡人なのは、お父さんの教育が間違っていたからなんだね。

 

世阿弥によると、芸事は7歳ごろから始めて、最初はとにかく楽しく稽古するのが大切なのだそうです。

 

私はこれでも一応、翻訳家なので、娘に英語を教えています。始めたのは、娘が10歳をゆうに超えてからです。遅すぎた!

 

最初は楽しく教えていました。娘はその頃、素直でしたから。でも、子供はすぐに成長し、生意気になります。しかも中学になると、成績というプレッシャーがのしかかってくるから、ついつい声を荒げてしまいます。これではぜんぜん楽しくなくて、世阿弥の考えからすると、大失敗ではないですか。

 

この本を読んでからは、なるべく怒らないように気を付けています。しかし、事あるごとに娘をしかりつけてしまいます。だって、不甲斐ないんだもんな。

 

たぶん私に甘えがあるのでしょう。娘のために叱っているんだから、分かってくれるはずだし、娘がお父さんのことを嫌うはずがないという甘えが、この失敗の根本原因なんですね。

 

この本を読み進めていくと、だんだんと気分が重くなります。世阿弥によると、35歳くらいまでに大輪の花をきれいに咲かせた人は、その後もなかなか枯れないのだそうです。私は花を咲かせられませんでした。これからどんどん枯れてゆくのでしょう。もう枯れ果て、朽ちてしまったのかもしれません。このブログ、誰も読んでくれてないみたいだしな。あーあ。