翻訳の練習問題9

私は行方昭夫先生を尊敬しています。その証拠に、サマセット・モームの原文と行方先生の訳文を毎日書き写して翻訳の勉強をしています。

 

行方先生の英文解釈はとても正確です。たとえば、日本人が英文を読むときに見落としがちな時制をきちんと解釈して訳しておられます。時制ってそんなに言うほど重要なのか、と疑問に思うかもしれませんが、時制というのは、日本語では曖昧ですが、英語では重要な要素で、これを正確に把握していないと誤訳の原因となってしまいます。私などは、たまに時制を読み違えて頓珍漢な訳をすることがあります。

 

でも、行方先生も人間なんですね。先生の訳に疑問を感じるときがあるんです。今回の練習問題は、私が疑問に感じたものです。

 

It was queer that Arnold Jackson, known apparently to all and sundry, should live here under the disgraceful name in which he had been convicted.

 

長い英文なので、解説が必要でしょうか。that節の中の主語は「Arnold Jackson」、述語動詞は「should live」です。