英語の情報の順序を変えない匙加減

翻訳をする場合、重要なことは英語の情報の順序を変えないことだというのが私の信念ですが、その匙加減が難しいです。

 

He wondered if his voice sounded as unnatural to her as it did to himself.
その声が不自然に聞こえたが、女にもそれが分かるだろうか、と彼は思った。

 

いつものように行方昭夫さんの名訳です。「He wondered」が日本語の文末にくるのは、言語体系が違うのだから致し方ないにしても、「his voice sounded as unnatural to her」と「it did to himself」の順序が逆になっているのはいかがなものかと思って自分で訳してみました。

 

彼は、自分の声が不自然に響いてしまったのではないかといぶかった。自分にはそう聞こえたからだ。

 

やけに長い訳になってしまいました。「as ~ as」の比較級もうまく訳せていないような気がします。

 

どの英文は情報の順序を変えずに訳せるのか、情報の順序を変えないとうまく訳せない英文はどのようなものなのか、見極めるのは難しいです。

 

「as ~ as」の比較級は順序を変えないといけないということでしょうか。