井上尚弥はどこまで強くなるのか

井上尚弥の強さの秘密はどこにあるのでしょうか。誰もが井上のスピードとパンチ力を力説しますが、私はあの冷静さに井上の強さの秘密があると思います。どのような状況でも冷静に試合に臨むことができるから強いのです。

 

日本時間の2020年11月1日に行われた対マロニー戦でも、それは証明されました。海外での試合。対戦相手はマロニーだけではなく、目に見えないウイルスとも戦わないといけません。隔離に無観客。ふつう、こんな状況にいたら、ハラハラ、ドキドキするはずです。

 

でも、井上はいつものように冷静でした。第1、第2ラウンドで相手を分析したら、第3、第4ラウンドで猛進撃。荒さが目立って、相手のラッキーパンチが当たったら負けてしまうのではないかと心配していたら、第5ラウンドからはきちんと修正してきました。その後のラウンドについては、いろいろなサイトに書かれているとおりです。

 

どのような状況にいても、相手と自分の状態を分析し、直すべきところは修正して的確に攻撃するという芸当をいとも簡単にやってのけるところに、井上の強さがあるのだと思います。

 

簡単なことのように見えて、とんでもなく難しいことなんですよ。想像してみてください。相手が殴り掛かってくるんですよ。そのパンチを避けながら、冷静に分析できますか?

 

井上は、さらに高みを目指す、と公言しています。今でさえ、素人には井上のパンチが見えません。相手からダウンを奪うときのパンチはまったく見えず、気付いたら相手がリングに転がっていたという状態です。スロー再生を見て、こんなすごいことが起きていたのか、と感心するというのが、ほとんどの人の感覚だと思います。これ以上の高みってあるのでしょうか。