翻訳の練習問題1(解答)

今回は、何の変哲もない英文でした。

 

A great bank failed, there was a panic on the  exchange, and Edward Barnard's father found himself a ruined man.

 

行方昭夫さんの訳は次のようになっています。

 

ある大銀行がつぶれ、株式取引所に恐慌が生じ、エドワード・バーナードの父は破産したのだ。

 

ポイントは何かというと、辞書をきちんと引くということです。「panic」、「exchange」、「ruined」に、「恐慌」、「株式取引所」、「破産」という訳語を選べたでしょうか。

 

ノーベル文学賞を受賞した大江健三郎さんは広辞苑を3回も買い替えた、とどこかで読んだことがあります。辞書を引きすぎてページがちぎれてしまったそうです。きちんと装丁された辞書がちぎれるくらい辞書を引いていたのです。

 

大江健三郎さんですらそうなのですから、私のような凡人が辞書を引かないなんてことは許されません。カギとなる単語は必ず辞書で確認しましょう。幸いにして今は電子辞書がありますから、ほとんど時間がかかりません。

 

どの単語がカギとなるのか分からない? それは単なる経験不足です。英文をたくさん読んでいるうちに、簡単に推測できるようになりますよ。

 

でも、なんで行方さんは、「fail」を「倒産」にしなかったんだろう? 辞書を引かなかったのかな? まさか、ね。