時を表す語句
ASとかWHILEとか、時を表す語句は、後ろから訳すように学校では教わりますが、そんな必要はないのではないかと思います。
モームの『Red』からの引用です。
His huge form shook as he gave a low, almost silent laugh.
行方昭夫さんの訳では、「as」の後ろを訳してから前に戻っています。
低い、ほとんど聞こえないような笑いをもらしながら、船長は肥満した全身をゆすった。
この「as」はその前後が同時に起きていることを表すのですから、わざわざ後ろから訳さなくてもいいのではないかと思います。
船長は肥満した全身をゆすりながら、低くてほとんど聞こえないような笑いをもらした。
「as」の前は無生物主語の例ですね。日本語では生物を主語にした方が自然だから、「His」、この場合は「船長」を主語にします。
「as」の後ろは重要でない「give」の例です。重要なのは「laugh」だから、日本語ではそれを述語にします。つまり、この「laugh」は名詞だけれど、述語に変換します。