スカーフェイス

今まで見た映画の中で一番怖い映画かもしれません。子供は見てはいけません。これをプライム会員特典で誰でも見れるようにしているのは間違いです。料金を高く設定して、大人しか見れないようにすべきです。

 

若い人は、この映画のアル・パチーノのような人間にあこがれるかもしれないけど、こんな人間、現実にはいないんですよ。

 

人間関係をつぶさに解析して修羅場をいくつもかいくぐり、度胸だけでのし上がっても、誰も信じられなくて安心して眠ることもできなければ、誰からも愛されないから自分自身の家庭も築けず、自分の母や妹まで犠牲にして、最後は寝首を掻かれて惨殺されるなんて人生がいいわけないですよね。

 

自分が他人にしたことは、すべて自分に跳ね返ってくることを忘れないように。アル・パチーノは、相棒を銃殺した後でどうなりましたか? 自分の妹から銃口を向けられましたよね。

 

肝っ玉だけでぼろ儲けしてやろうなんて変な考えを持たないこと。お金がなくて底辺の暮らしが続いても、地道に他人のために働くのが人間の幸せなんですよ。

 

私の言いたいこと、分かりますよね。制作した人には悪いけど、よい子は絶対に見ないように。

 

アル・パチーノの真似なんかして、ちょっとニヒルに笑うのはいいけど、極道に足を踏み入れるのは止めてくださいよ。

 

あと、私が極道映画のレビューを書くのも止めた方がいいかも。

翻訳の練習問題13(解答)

今回の問題を確認しましょう。

 

He began to laugh, mirthlessly, and his laughter grew till it became hysterical.

 

ポイントは情報の順序を崩さないことです。この英文では、「till」をどう訳すかがポイントです。

 

情報の順序に配慮して訳すときには、情報の塊を見極める必要があります。この英文には次の3つの塊があります。

 

  1. He began to laugh, mirthlessly
  2. and his laughter grew
  3. till it became hysterical

 

この順序を崩さずに訳すのです。「それがヒステリックになるまで彼の笑いは大きくなった」では、2と3が逆になっています。2を訳してから3を訳し、しかも時系列を崩さない方法はないでしょうか。

 

行方昭夫先生の訳を見てみましょう。

 

彼は陰気に笑い出し、それが止まらず、次第にヒステリックになった。

 

さすがですよね。でも、「それが止まらず」にはちょっと違和感があります。私なら「それが大きくなって」と訳します。

 

「till」、「until」、「before」、「prior to」など、時を表す前置詞があったら、情報の順序を変えずに訳せるかどうか検討してみてください。その訳文が自然な日本語になるだけでなく、その訳文とその前後の訳文との関係も良くなります。

 

ところで、「mirthlessly」の前のカンマは何なのでしょうか。サマセット・モームともあろう者が、間違えてカンマを打ってしまったとは思えません。

 

その当時の万年筆は品質が悪くて、たまたまインクがちょうどその場所に落ちてしまったのでしょうか。そうだとしても、サマセット・モームであれば、そのカンマが気に入らなかったら、二重線か何かで修正するでしょう。

 

サマセット・モームは何かを意図してカンマを打ったはずです。たぶん、「その笑いは陰気くさかったんだよ」って強調したかったのだと思います。

 

では、そのカンマも訳文に反映できないものでしょうか。

 

彼は笑い出したが、その笑いは陰気くさく、やがて大きくなって、次第にヒステリックになった。

 

上記が私の訳ですが、いかがでしょう。

 

数日たって自分の訳を見直してみたら、やはり行方先生の訳の方が正しいような気がしてきました。カンマの解釈は私の考えすぎかも。

戦場のピアニスト

自分だったらどうするかな。ずっとそればかり考えながら見ていました。

 

たとえば、次のような噂を耳にしたとします。

 

アウシュビッツには大勢のユダヤ人が列車で毎日運び込まれる。しかし、食糧も水も運び込まれていない。しかも、列車はいつも空で引き返す。

 

この噂を、そんな馬鹿なことがあるか、と否定して何も対策を講じなければ、自分は死ぬのです。自分だったら生き残れたかな? 無理だろうな。僕は、厳しい現実から目をそらす癖があるから。

 

平和な時代、平和な国に生まれてよかった。

アラバマ物語

正義が勝つわけでもなく、悪がはびこるわけでもないという、何ともすっきりしない物語ですが、なぜか心に残ります。

 

すっきりしない物語が大ベストセラーになるはずない、と考えると、自分はこの映画をきちんと理解していないのではないか、と自分で自分を疑いたくなって、またもやすっきりしないのでした。

 

小説を読んでみたくなりました。

タクシードライバー

私は若いころ、社交性に欠け、孤独に陥り、社会に嫌悪感を抱くような人間でした。不眠症にも悩んだことがあります。自分がそうだったから、「ほとんどの人が似たようなものなのだろう。これが普通だ」と思っていました。でも、これって本当は危険な状態なんですよね。

 

この映画のトラビスに私は似ています。自分がトラビスと同じように、周囲から変人だと思われていることはうすうす感じていましたが、自分もトラビスと同じようなことをしでかす可能性があったのかもしれないことに、この映画を見て気付いて背筋が凍りました。

 

私がトラビスにならなかったのは、妻のおかげかな。妻に出会ったから、孤独から抜け出し、社会を嫌悪することも少なくなってきました。僕が不眠症に陥ったときも、妻が支えてくれました。

 

妻をもっと大事にしようっと。

アバウト・タイム ~愛おしい時間について~

きちんとしたメッセージのある、いい映画だと思います。

 

でも、そのメッセージが少し弱いかな。端的に言ってしまうと、たいして重要なメッセージではないかな。

 

時空を超えてしまうので、分かりにくくて、僕がきちんと理解していないのかもしれません。本が出ていたら、じっくり読みたいな。

 

見る価値がないと言っているのではないですよ。これから結婚して自分の家族を作っていこうとしている人は見るべきかもね。

翻訳の練習問題13

今回もサマセット・モームの作品からの出題です。たしか『Red』(赤毛)だったかな。

 

今回から、ポイントを先に公開します。そのポイントに配慮して訳してみてください。訳文を頭の中で思い浮かべるだけでなく、きちんと書き取ってください。解答を見たとき、どこを間違えたのか的確に確認できますし、その方が勉強になります。

 

今回のポイントは、英文の情報の順序を崩さずに訳すことです。

 

He began to laugh, mirthlessly, and his laughter grew till it became hysterical.