スラムドッグ$ミリオネア

どんな物語だって、舞台となる社会があって、人を引き付けるために誇張して作っているわけですよね。

 

たとえば、ドラえもんの舞台は小学生社会です。古今東西を問わず、そこには気弱で不器用な奴がいて、味方にすれば頼もしいけど敵に回したらおっかないガキ大将がいて、どうにも憎たらしいひねくれ者がいて、カワイ子ちゃんがいます。それぞれを誇張したのが、のび太であり、ジャイアンであり、スネ夫であり、しずかちゃんであって、その誇張があるからこそ、ドラえもんは面白いのです。

 

スラムドッグ$ミリオネア』の舞台はインドのスラムです。そのスラムを誇張して描いているはずだから、2分の1か3分の1に割り引いたものが現実のスラムなわけです。けど、100歩譲って4分の1に割り引いたとしても、現実のインドのスラムって恐ろしい!

 

日本に生まれてよかった。給料が安くて文句言いたくなるけど、世界的に見れば、こんな僕だって大金持ちだもん。うちの親父はとんでもない奴だ、こんなに酷い奴はいない、と思っていたけど、世界にはもっと極悪非道な奴がいるんだよな。そんなふうに思える映画でした。

 

それで肝心の『スラムドッグ$ミリオネア』のストーリーですけど、その題名から簡単に類推できますよね。