缶ビールの異物

昨日の晩、ギネスビールを飲んだら、缶の中に何か固形物が入っていました。冷蔵庫が冷たすぎてビールが少し凍ったのかな、そういえば味がおかしかった気がするな、と思っていました。

今朝、その缶を振ってみると、まだ固形物があります。昨晩は寒かったから氷が融けなかったのかなと思っていました。

夕方、まだ固形物があります。今日は暖かかったから、氷が融けないはずありません。すぐに缶切りで缶を開けてみたら、驚いたことに、ピンポン玉のようなものが入っているではありませんか。異物混入だ。すぐにメーカーに連絡しないと。缶に電話番号が書いてあるだろう。

缶を調べてみたら、クリーミーな泡を作るために球体を入れてあると書いてありました。もっと大きく書いてくれよ。びっくりしたなあ、もう。

ビールが凍っていたから味がおかしかったなんて、私の味覚はどうなっているのだろう。

『すらすら読める土佐日記』林望

古典はおもしろい、と林望先生はおっしゃいます。たしかに、数百年も読み継がれてきたのですから、古典には何かが含まれているのでしょう。でも、特に土佐日記は、和歌の素養がないと楽しめないかも。その古典が書かれた時代背景を知っているかどうかよっても、どれだけ楽しめるかが決まるような気がします。教養のない僕にはちょっと無理なのかな、なんて悲しくなったりします。

でもやっぱり古典には何かがありそうで、その何かを自分のものにしたいから、もう少し他の古典も読んでみようかな。現代語訳でないと読めないけど。

『捨てきらなくてもいいじゃない』岸本葉子

新聞や雑誌に掲載されたエッセイをまとめた一冊です。

前にも、この人が書いたエッセイを読みましたが、この人の書くエッセイには、モノについて書かれたものが多くて、人が出てくることは稀です。女性ですから、ファッション関係の服とか化粧品とか装飾品とかが出てくることが多く、仕事柄のためか、本もよく出てきます。でも、なぜ人がほとんど話題に上らないのでしょうか。人が出てこないから、どこかしら淋しさを感じてしまいます。

まあ、たまたま選んだ本がモノに関するものだったのかな。岸本葉子さんが癌になる前に書いた本は違うのでしょうか。次は、岸本葉子さんの古い本を読んでみようかな。

『バブルノタシナミ』阿川佐和子

2017年7月に発行された本だから、今まで読んできた阿川佐和子さんのエッセイのなかでは最も新しいものかな。

ちょっと調べてみたら、これまで僕が読んできた阿川佐和子さんのエッセイは、すべて10年ほど前に出版されたものばかりでした。

その10年ほど前のエッセイと比べると、このエッセイ集は落ち着いています。自分をさらけ出して、赤裸々に爆笑を狙っているという印象は受けませんでした。10年も年齢を重ねた上に結婚もして、落ち着いたのでしょうか。

あまり比較してはいけないけど、親友の檀ふみさんと比べると、品格は劣るかも。いえ、阿川佐和子さんが下品だとは言っていませんよ。他の本を読んでみると、阿川佐和子さんも、檀ふみさんと同じで、かなり恵まれた家庭で育って、いい教育を受けたことがうかがえますから、下品になるはずがありませんし、上品であることは間違いありません。ただ、檀ふみさんの方が上品だと言いたいだけです。

人のことをとやかく言うお前はどうなんだ、とお叱りを受けて当然です。すみません。自分のことを棚に上げていました。しかも、またもや本の内容に触れていませんでした。

『ひとりを愛し続ける本』遠藤周作

さすがは遠藤周作さんです。最初から引き込まれました。

人を見る目が鋭すぎます。しかも、遠藤周作さんのおっしゃることは、どれもこれもごもっとも。思わず頷いてしまいます。

初版が1986年ですから、30年以上も前の本です。こんなに古い本なのに、遠藤周作さんの意見に頷けるということは、人間って本質的には進歩しないものなのかなと思ってしまいます。

この本を読むと、遠藤周作さんは物静かに人をじっと観察している人なんだろうな、と思ってしまいますが、軽井沢の別荘では、一時期、どんちゃん騒ぎをしていて遠藤パーティと銘打たれていたそうです。

『まだふみもみず』檀ふみ

檀ふみさんの親友である阿川佐和子さんによると、檀ふみさんは何でも学術的に追及する人なのだそうです。檀ふみさんご自身は、学生の頃はそんなに勉強しなかったけど、社会に出てから勉強するようになった、と自分のことを言っています。

いつ勉強したかに関係なく、きちんと勉強しているから、NHKの連想ゲームで好成績を上げられたし、この本のように綺麗な文章が書けるのですよね。檀ふみさんがきれいなのは、内面が美しいからなのだろうな、と思います。

僕も勉強しようっと。でも、この年齢からでは遅すぎるかな。

何だか、本の紹介になっていませんね。本の内容について触れてませんもんね。それでもまあ、読んでみてください。檀ふみさんの教養の深さと綺麗な文章に感動しますよ。

『オドオドの頃を過ぎても』阿川佐和子

阿川佐和子さんは、子供の頃あまり読書をしなかったと言っていますが、なかなかどうして、ご自身では気付かぬうちに、良書をけっこう読んでいたことをこの本で白状しているではないですか。優秀なお兄様に比べたら、読んだ本が少なかったということに過ぎないですね。世間一般に比べたら、かなり読んでいますよ。

阿川佐和子さんは、横暴なお父様に虐げられていたと言っていますが、なかなかどうして、ご自身では気付かぬうちに、お父様から守っていただいていたことをこの本で白状しているではないですか。お父様を介して知り合った人たちは、そうそうたるメンバーですもんね。とても良い環境を提供してくれた、いいお父様ではないですか。

いい環境に生まれ育った阿川佐和子さんのことがうらやましいです。いえ、いい環境に生まれ育ったのだから、阿川佐和子さんが今日のように活躍しているのは当然だなんて言っているのではありません。同じ環境に生まれ育っても、僕のように怠け者では成功できなかったでしょうから。